導入事例

CASESTUDY 導入事例

医療法人社団 誠馨会 新東京病院 様

医療法人社団 誠馨会
新東京病院 様


一刻を争う救急医療の現場において、情報の「可視化」が命を救うための鍵を握っています。千葉県松戸市に拠点を置く急性期病院の新東京病院様では、「一人でも多くの患者さんを1分1秒でも早く救う」という信念のもと、年間約5,000件もの救急搬送を受け入れています。しかし、自院で運用する救急車両の増強にあたり、従来のPHS・電話による1対1の連絡では複数の現場や病院との情報共有が難しく、効率的な車両運用に限界が生じていました。
そこで同院が導入したのが、都築電気のスマホ型動態管理クラウドサービスです。本来、物流業界を主な利用者として想定し開発されたこのシステムを、救急車両の動態管理に応用する画期的な試みは、業務効率化はもちろんのこと、スタッフのモチベーション向上や採用面への影響など、多岐にわたる成果をもたらしています。本稿では、異業種の知見を医療現場に適用し、地域医療の質の向上に貢献する事例を紹介します。

医療法人社団 誠馨会 新東京病院 様

左より、医療法人社団 誠馨会 新東京病院 副院長 救急科 部長 安倍晋也氏
医療法人社団 誠馨会 新東京病院 診療技術部 救急調整室 副主任 牧山貴明氏

「一人でも多く、1秒でも早く」。断らない救急を支える救急車動態管理システム
~ 医療法人社団 誠馨会 新東京病院 様への TCloud for SCM 導入事例 ~

導入サービス
スマホ型動態管理・運行管理クラウドサービス「TCloud for SCM」
スマートフォンを活用し、車両の走行状況や作業の進捗状況をリアルタイムで可視化する動態・運行管理クラウドサービスです。専用端末を必要とせず、ドライバーはスマートフォン上のボタンを操作するだけで、位置情報管理、作業ステータス登録、メッセージ送受信、到着時刻予測などの多彩な機能を利用できます。物流業界を中心に多数の導入実績を持ち、経済産業省のDX認定も取得しています。
新東京病院様では、救急救命士一人ひとりにスマートフォンを配備し、出動・到着・現場出発・病院到着・待機・業務終了といった各行程を、医療現場向けにカスタマイズしたボタンで記録しています。救命士がボタンをタップするだけで、管理側はタブレットやPC画面上から、車両の現在地と活動状況を即座に把握できます。さらに、メッセージ機能により写真やバイタル情報が共有できることで、電話連絡や記録業務の負担を大幅に削減しました。物流業界で磨かれた「安心・安全・安定」の思想が、医療現場でどのような貢献を果たしたか、次ページでは利用者の声とともにその成果をご紹介します。

TCloud for SCMについて:https://tsuzuki.jp/jigyo/scm/

User Profile

医療法人社団 誠馨会 新東京病院 様
所在地千葉県松戸市和名ヶ谷 1271番
病床数430床
職員数(常勤換算)1,031名(令和8年4月現在)
URLhttps://www.shin-tokyohospital.or.jp/
医療法人社団 誠馨会 新東京病院

医療法人社団 誠馨会 新東京病院様は、千葉県北西部の中核的な病院です。松戸市の二次救急告示病院として、24時間365日体制で重症患者を受け入れる、地域医療の拠点を担います。循環器系・脳血管系の高度な診療に強みがあり、がん治療やロボット(ダヴィンチ・MAKO)手術などの先進診療にも注力するなど、急性期医療の最前線を走り続けています。地域医療への貢献に加え、災害医療にも積極的で、全日本病院協会AMAT(エーマット︓災害時医療支援活動班)のメンバーとして、ダイヤモンド・プリンセス号における新型コロナウイルス対応や能登半島地震への救護班派遣など、全国規模の支援活動を展開しています。救急科では「断らない救急」を理念に掲げ、医師・看護師・救急救命士が一体となったチーム医療を実践しています。現在、8名の救急救命士が3台の病院救急車・リフト車両を運用し、転院搬送や関連施設からのピックアップなど、年間約1,000件の出動に対応するアクティブな救急体制を誇ります。

導入の経緯

安倍晋也氏

医療法人社団 誠馨会 新東京病院 副院長
救急科 部長 安倍晋也氏

- 今回、都築電気株式会社のTCloud for SCMを導入された経緯を教えてください。

病院で保有する救急車両の出動件数が増えるにつれ、従来のPHSや電話での1対1の連絡では、複数の現場の状況をリアルタイムで把握・管理することが難しくなっていました。搬送要請が重なると、連動して関係者全員への個別連絡が増えるため、連絡業務や報告などの煩雑さに手を焼いていました。また、救急車両がいまどこにいるのかをリアルタイムで把握できないことも課題でした。そんな折、都築電気の物流向けシステムのセミナーに参加する機会があり、物流ドライバーの動態管理という切り口の話でしたが、「これは救急車の運用でも使えるのでは︖」とピンときました。医療現場に限らず、複数名の現場スタッフが連携して動く仕事では、リアルタイムな情報共有の仕組みが欠かせません。「人の動き」と「車両の動き」をつなぐシステムは、当院の課題を解決できるのではないかと思い、その場ですぐに相談しました。(安倍副院長)

選定のポイント

- 当社ならびに当社のサービスを選択していただけた理由をお聞かせください。

最大の決め手となったのは、「一緒にシステムを作っていこう」という都築電気の共創への姿勢です。セミナーの当日にはアポイントのメールが届き、来院の際には当院の業務課題にしっかり向き合った提案をしてくださいました。物流向けのシステムをそのまま利用できるとは思っていませんでしたが、それ故に「相談しながら医療現場にマッチするシステムを作っていけそうだ」という手応えを最初から感じられたことが、大きかったです。(安倍副院長)

トライアル期間の手厚いフォローで、現場のスタッフが主体的に取り組むことができ、使い方を試行錯誤しながら、納得いくまで「試し切る」ことができました。物流用語を「出動」「現場出発」「待機」といった私たちの使う言葉に置き換え、ボタン一つでステータスを登録できるようにしました。必要な機能にしぼり、スマートフォン8台、タブレット1台というミニマムな構成でスモールスタートができること、段階的に拡張できる柔軟性も決め手でした。(牧山副主任)

導入の成果

- サービス導入による効果を教えてください。

2026年1月の本格稼働以降、業務効率化と現場環境の改善で具体的な成果が見られました。まず、電話連絡が大幅に減りました。1件の搬送情報を共有するために発生していた電話連絡が、グループへのリアルタイム通知により「1出動あたり10本程度」は削減されました。(安倍副院長)

牧山貴明氏

医療法人社団 誠馨会 新東京病院 診療技術部
救急調整室 副主任 牧山貴明氏

記録業務の効率化も実現しました。以前は手書きメモや記憶に頼っていた出動時刻・到着時刻・処置内容の記録が、ボタン操作一つでタイムスタンプ付きのデジタルデータとして記録できます。報告書作成などの事務処理時間が1時間単位で削減できたことに加え、「覚えていなければ」という心理的負荷がなくなって、目の前の患者さんに集中できる環境が整いました。搬送中のバイタルや処置内容を写真やメッセージ機能でリアルタイム共有することで、院内で指揮をとる救急救命士との連携も円滑になりました。(牧山副主任)

救急車両や救命士の活動状況が可視化されたことで、看護師など他職種からの理解も深まり、チームの一体感が高まりました。また蓄積したデータは、診療報酬加算の根拠としても活用できます。同様にスタッフの出動記録も正確に把握できるため、人事的な評価にもつなげられます。(安倍副院長)

救急車の動態管理システムを活用している医療機関はほとんど無く、同システムを用いて病院救急車を積極的に出動させる当院の姿勢は、転職を考え病院見学に来られる救急救命士の皆様への強力なアピールとなり、採用活動にも貢献しています。こうした想定していなかった副次的な効果も生まれています。(牧山副主任)

今後の展望

- 最後に今後の展開と、都築電気へのご要望や期待をお聞かせください。

今回の導入は、当院の医療DX推進における第一歩と位置づけています。今後は電子カルテとの自動連携や、同システムを活用した夜間・休日の当院救急車運用拡大、さらには地域の複数医療機関が参加する災害時の広域動態管理への応用も視野に入れています。都築電気さんには引き続き心強い伴走者として、当院の展望に沿った機能の提案など、深い知見に基づいた継続的なサポートを期待します。当院のDX化や業務改善、そして更なる地域医療への貢献を実現していくために、ともに取り組んでいければ幸いです。(安倍副院長)

新東京病院様
多忙な業務の合間を縫って貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

インタビュー:2026年4月現在