導入事例

CASESTUDY 導入事例

株式会社ローソン 様

株式会社ローソン 様


日本の生活インフラとして、全国に約1万4,600店舗を展開する株式会社ローソン。24時間365日、絶え間なく商品を届け続ける同社の物流網は、今、歴史的な転換期を迎えています。深刻化するドライバー不足、物価高騰、そして「物流2024年問題」に象徴される法規制の強化。これらの荒波を乗り越えるべく、同社は今期、製造と物流を統合した「サプライチェーン統括部」を発足させました。

この巨大な改革のエンジンとして採用されたのが、都築電気の動態管理ソリューション「TCloud for SCM」です。15年来のパートナーシップを基盤にしつつ、スマートフォンの可搬性を活かした新システムは、いかにして現場の負荷を軽減し、荷主としての責任を果たしているのか。本稿では、導入の背景から、緻密な導入プロセス、そしてデータ活用による未来の物流ビジョンまで、株式会社ローソン 商品本部 サプライチェーン統括部の佐藤 渡部長と、同部の渡邊 友基氏のお二人にお話を伺いました。

株式会社ローソン 様

商品本部 サプライチェーン統括部 佐藤 渡部長(右)、渡邊 友基氏(左)

ローソンが挑む「サプライチェーン垂直統合」の物流改革
~都築電気「TCloud for SCM」が実現する、
データドリブンな次世代店舗配送の基盤~

導入サービス
「TCloud for SCM」
「TCloud for SCM」は、都築電気株式会社が提供する、物流領域における配送業務の可視化と現場オペレーションの効率化を支援するクラウドサービスです。製造業・卸売業・小売業をはじめ、物流に関わる幅広い業種で活用されています。
サービスの最大の特徴は、スマートフォンを活用して車両・ドライバー・配送先に関する情報をリアルタイムに収集し、配送進捗や到着予定時刻、現場状況を一元的に可視化できる点にあります。配送中の「どこにいるか」「いつ到着するか」「どこで滞留しているか」といった情報を即時に把握・共有することで、ドライバー・管理者・荷主間の連携を円滑にし、問い合わせ対応の削減や配送品質の向上を実現します。
具体的には、配送進捗管理、到着時刻予測、ナビゲーション連携、納品先情報の共有、現場状況の記録(写真・メモ)、ドライバーとのコミュニケーション機能などを備えており、属人化しがちな配送管理業務をデータに基づいて標準化・効率化します。また、既存システムとの連携や段階的な導入が可能であり、短期間での運用開始ができる点も強みです。これにより、配送業務の効率化、待機時間の削減、現場負荷の軽減に加え、走行データの蓄積・活用によるCO2排出量削減など、持続可能な物流体制の構築に貢献します。

TCloud for SCMについて:https://tsuzuki.jp/jigyo/scm/

User Profile

株式会社ローソン 様
所在地東京都品川区大崎一丁目11番2号ゲートシティ大崎イーストタワー
設立1975年4月15日
資本金585億664万4千円
職員数(常勤換算)12,087人(連結、2026年2月末現在)
事業内容コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズチェーン展開
URLhttps://www.lawson.co.jp/
株式会社ローソン

国に約1万4,600店舗を展開するコンビニエンスストアです。
「Uchi Cafeスイーツ」や「からあげクン」などのオリジナル商品を多く取り揃えるほか、「災害支援ローソン」の展開や地方部への積極的な出店など、地域社会の生活インフラとしての役割を強化しています。

ローソンが抱える物流に関する課題

- 激変する環境と「荷主」の責任

ローソンの物流を語る上で欠かせないのが、その圧倒的なスケールと、極めて高い配送品質への要求です。
全国約1万4,600店舗に対し、チルド・常温・冷凍といった異なる温度帯の商品を、毎日決められたダイヤ通りに正確に届ける、この当たり前の日常を維持することが、同社の物流における至上の課題です。
サプライチェーン統括部の佐藤部長は、現在同社が直面している課題を大きく3つの軸で整理しています。
「1つ目は配送品質の担保と持続性の確保です。24時間365日休むことなく、加盟店からの発注に対して正確に納品し続ける。これは我々の不変の使命です。 しかし、2つ目の課題である昨今の社会情勢、すなわち物価上昇や人手不足が、この継続性を脅かしています。中長期的な視点でコスト削減や省人化を強力に進め、強靭な物流体制を再構築しなければなりません」と佐藤部長はいいます。
そして、最も差し迫った課題として佐藤部長が挙げたのが、3つ目の「法令対応」です。物流効率化法(正式名称︓物資の流通の効率化に関する法律)をはじめ、荷主に対する法的責任は年々重くなっています。
「私たちは特定荷主、さらには特定連鎖化事業者として、主体的に物流改革を行う義務があります。国からも『しっかり改革をしなさい』というミッションを課せられています。特にドライバーの拘束時間管理は、多層下請け構造がある中で非常に困難な領域ですが、ここを正確に把握し、改善していくことが不可欠なのです」と佐藤部長。
配送品質を維持しながら、いかにして法規制を遵守し、コストを最適化するか。この複雑な方程式を解くための武器として、既存の動態管理システムのリプレースが急務となっていました。

「TCloud for SCM」の導入を決めた理由・背景

- 現場の利便性と経済性の両立

ローソンでは、10年以上前から、動態管理システムを採用・運用してきたという背景があります。しかし、従来型のいわゆるデジタコ(車両固定型端末)には、コスト面や運用の柔軟性において課題があったといいます。そこでリプレースが検討され、複数社を横並びで比較検討する中で選ばれたのが、都築電気の「TCloud for SCM」でした。
導入の背景について、佐藤部長は「可搬性」「コスト」「温度管理」の3点をキーワードに挙げます。

「まず大きかったのは、専用端末からスマートフォンベースの可搬式(ポータブル)端末へ切り替えることによる経済性です。従来の固定型は、車両入れ替えのたびに取り付け業者を呼び、工事を行う必要がありました。そのたびに車両は待機を余儀なくされ、工事費用もかさみます。TCloud for SCMなら、これらのコストと時間を大幅に抑制でき、運用の簡便化が図れます」と渡邊氏はいいます。
しかし、単に安価で便利であれば良いというわけではありません。ローソンが扱う食品物流、特にチルドやフローズン(冷凍)帯においては、配送中の厳格な温度管理が必須条件となります。
「可搬式のソリューションは他にもありましたが、スマートフォン単体で我々の求めるレベルの温度管理まで対応でき、当時の要件に最も合致していたのが、都築電気のTCloud for SCMでした。これが決定打となりました」と渡邊氏は振り返ります。
さらに、システム面以外の要素として「パートナーシップ」も重要な役割を果たしました。それは、都築電気の「ローソン配送に対する深い理解」です。
「長いお付き合いがあることで、我々の特殊な配送フローや現場の苦労を熟知してくれています。リプレースというデリケートな局面において、一現場目線で提案をいただける安心感は、我々にとって大きな判断要素でした」と佐藤部長は信頼関係について言及してくださいました。

導入プロセスと都築電気の対応

- 緻密なトライアルと「現場第一」の伴走体制

導入プロジェクトは、2025年春のトライアルからスタートしました。全国一斉導入によるトラブルを避けるため、特定のセンターで徹底的な検証を行い、2025年9月から関東エリアを含む全国展開を順次拡大。現在、約2,500台の端末が実稼働しています。
この導入プロセスにおいて、同社が最も苦労し、かつ都築電気のサポートが有益だったのが「現場のドライバーへの浸透」でした。渡邊氏は、当時の状況を次のように語ります。
「私も導入時期には都築電気さんと一緒に全国を回りました。現場の配送管理者やドライバーさんにとって、長年慣れ親しんだ仕組みを変えるのは大きな負担です。都築電気さんは現地の操作説明会だけでなく、導入後のフォローまで非常にきめ細かく伴走してくれました。また、データの切替タイミングでトラブルが生じた際には、都築電気さんのSEチームと密度高く連携し、短い期間で改修していただきました」とご評価くださいました。
さらに、導入後のサポートについても高く評価されています。
「都築電気さんのコンタクトセンターに集まる問い合わせ内容を分析し、不明点が多いセンターを特定して、主体的にWEBサポート会を開催してくれました。こうした、言われたこと以上の『現場に踏み込んだサポート』が、円滑な導入を支えてくれました」と渡邊氏は当時を振り返ります。

「TCloud for SCM」導入の効果

- デジタル化がもたらした「ゆとり」と「透明性」

「TCloud for SCM」が本格稼働してからは、まだ数か月が経過しているに過ぎませんが、導入による効果は、すでに現れ始めているといいます。
第一に、現場の工数削減が進んだと、渡邊氏はメッセージ機能の活用による変化を挙げます。
「これまでは、何かあれば電話での報告・連絡が中心でした。納品完了の連絡や、特殊な納品条件の確認のために、ドライバーは頻繁に電話をしていました。それがTCloud for SCMのメッセージ機能や写真撮影・送受信機能に置き換わったことで、電話の手間が激減しました。ドライバーがスマートフォンで納品場所を撮影して送信するだけで、エビデンスとして完結する。この簡便さは非常に好評で、業務効率の改善に役立っています」とのこと。
第二に、荷主としての管理能力の向上が挙げられました。

「可搬性端末からリアルタイムで上がってくるデータにより、拘束時間や走行時間を詳細に把握できるようになりました。これにより、法規制に基づいた適正な運行管理が、これまで以上に高い透明性を持って行えるようになっています」と渡邊氏は続けます。
そして第三に、管理者側の視認性の向上です。これまでは各センターで閉じられていた情報が、「TCloud for SCM」を通じて本部でも一元的に把握できるようになりつつあるといいます。
「たとえば、災害が起きた際、どのセンターのどのコースが遅延しているかを本部の画面でパッと確認できます。まだ改善の余地はありますが、全国規模の物流を俯瞰してコントロールするための土台ができた意義は大きいです」と今後の拡張性にも期待が高まります。
佐藤部長も、「配送品質のKPIをパートナー企業と共有し、一体となって運営していくための武器が揃いました。このデータこそが、我々のサプライチェーンを強靭にするための原動力になります」と、その実感を語ります。

今後の物流改革に向けて

- AIとデータの融合で描く未来のローソン物流

「TCloud for SCM」という強力な基盤を得た今、同社が目指すのは「データドリブンな物流」のさらなる深化です。「今、サプライチェーン統括部として製造から物流までを垂直統合して見ている中で、このTCloudfor SCMに蓄積されるデータの価値はますます高まっています。今後はWMSや検品システムとデータ連携し、荷量を可視化することでサプライチェーン全体の物流効率化を視野に入れております」と、佐藤部長は今後の展望について力強く語ります。
また、渡邊氏は「現場のアナログ作業の完全払拭」を掲げます。
「いまだに現場には手書きの運行日報が残っています。これらを完全にデジタル化し、一括管理できるようにしたいと考えています。デジタル化によって浮いた時間は、単なるコスト削減ではなく、配送品質のさらなる向上や、今後増えると予想される外国人ドライバーへの教育といった、よりクリエイティブな、人間にしかできない業務に取り組んでいきたいと考えています」と展望を語ってくださいました。
そして最後に、都築電気への期待について佐藤部長はこう話されました。
第二に、荷主としての管理能力の向上が挙げられました。
「都築電気さんには現場から上がる細かな不満や要望を、標準サービスのレベルアップとして真摯に吸い上げていただき、我々とともに製品を育てていただきたいと思います。」
24時間365日の安心を守り続けるために、ローソンと都築電気の挑戦は、デジタル技術を駆使して、さらなる高みへと向かっています。

株式会社ローソン様、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

インタビュー:2026年4月現在