導入事例

CASESTUDY 導入事例

伊藤忠ハウジング 様

伊藤忠ハウジング 様


伊藤忠ハウジング 吉岡辰美部長補佐、丸林修 氏に、『KitFit不動産』を導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

伊藤忠ハウジング 様

伊藤忠ハウジング 様について

伊藤忠ハウジングは、伊藤忠都市開発の「クレヴィア」など各種マンションを販売している企業です。設立1970年、従業員数116名。

『KitFit不動産』の活用概況

- 伊藤忠ハウジングでは、KitFit不動産をどう活用していますか。

伊藤忠ハウジングでは『KitFit不動産』を使って、マンション販売プロセスを「顧客単位」で管理しています。導入の概要は次の通りです。

項目 内容 備考
用途 【販売管理、顧客管理、販売促進】
顧客属性管理
商談履歴管理
アンケート管理(ニーズ把握)と情報提供
「管理・販促」
【デベロッパーへの説明資料づくり】
物件販売状況の定期報告の資料
新規物件の販売計画策定の資料
デベロッパーへのマーケット情報の提供と企画提案の資料
「マーケティング」
利用場所 - 伊藤忠ハウジング社内(東京、大阪)
- マンションギャラリー現地
マンションギャラリーは常時
20〜30箇所が稼働
開発期間 7カ月 2011年11月契約。
2012年6月稼働開始
これまでのカスタマイズ(改修)
の回数
4回 システムレビューを実施し、必要に応じてカスタマイズ

告知、販売の各プロセスで『KitFit不動産』を活用

- 『KitFit不動産』の活用状況をさらに詳しく教えてください。

『KitFit不動産』は「マンション販売の各プロセス」で活用することになります。具体的な販売プロセスは次のとおりです。

1.【顧客開拓】媒体を使ってマンション物件を告知し、資料請求を得る。

2.【新規顧客登録】要望に対しての提案と質問に対する回答

3.【商談】お客様にマンションギャラリーに再び来ていただけるよう活動する。

4.【クロージング】商談を進め、成約する。

5.【顧客情報管理】1〜4 すべての過程でお客様情報を厳正に管理

この他、事業主であるデベロッパーには、マンションの「企画段階、販売前、販売中、完売後」の各ステージで、定期報告や情報提供を行いますが、そこでも『KitFit不動産』を活用しています。

告知段階での活用

- 販売プロセス1.「顧客開拓」での『KitFit不動産』の活用状況について教えてください。

マンション販売は、まず「媒体を使った物件の告知」から始まります。告知媒体は「新聞折り込みチラシ」、「ポスティングチラシ」、「物件公式ホームページ」、「ポータルサイト登録」、「自社ホームページ」、「友の会」、「ダイレクトメール送付」などです。
このステージでは『KitFit不動産』を次のように使います(※)。

顧客登録『資料請求』があったお客様の情報を新規登録する。
反響分析どの媒体を通じて資料請求が来たのかを入力。この情報を分析し、反響の多い媒体を活用するなど必要に応じて広告計画の見直しに活用。

次の販売ステージは「お客様のマンションギャラリー初来場」です。

※ 「主な使い方」のみを記しています。

顧客のマンションギャラリー来場時での活用

- お客様の「マンションギャラリー初来場」のとき、『KitFit不動産』はどう使いますか?

お客様アンケート

お客様がマンションギャラリーに来て、アンケートに記入してくださると、資料請求時に無かったデータを記入いただくので、データ量が増加します。
ここでは『KitFit不動産』を次のように使います。

来場者登録 マンションギャラリーに来場があった時点で「担当営業スタッフ」がつきます。
この担当者情報を『KitFit不動産』に上書きします。
データベース内で
「資料請求のみ」から「マンションギャラリー来場」へとステージが上がります。
名寄せ(二重入力防止) 資料請求無しにマンションギャラリーにご来場のあったお客様は、新規に顧客登録をします。
お客様の二重登録を防ぐためにも、この段階での分別(名寄せ)は重要です。
アンケート入力 来場者にご記入いただいたアンケートの内容は『KitFit不動産』に入力して分析します。
営業担当スタッフ入力 お客様情報に「担当営業スタッフ」の情報も加えます。

マンションギャラリーにご来場いただき、担当営業がつくと、その後、本格的な「商談」が始まります。

マンションギャラリー再来場を促進するための活用

- 「商談」のときの『KitFit不動産』の活用は?

商談段階での営業目標は、「1組のお客様に1回でも多くマンションギャラリーで商談させていただくこと」です。
経験的に、来場回数が多いほど成約率が上がることが分かっているからです。
このステージでは『KitFit不動産』を次のように使います(※)。

見込み客抽出
 → 来場・再来場の促進
『KitFit不動産』を使って、手持ちの顧客名簿から、資料請求や来場などのステージ でリストを抽出し、初来場や 再来場をうながすためにダイレクトメールなどを送付します。

このとき注意するべきことは「同じお客様に二通DMが届かないようにする」ということです。そのような不手際があると、せっかくのダイレクトメールが悪印象となり逆効果です。
たとえば「資料請求は奥様がしているが、マンションギャラリーにはご主人が来場している」という場合があります。このときは名前が違っていても「一組のお客様」と見なします。
一方、「同一家屋に住む二世代(お父様夫婦と息子さん夫婦など)が別々にマンションを探している」ということもあります。この場合は名字と住所が同じであっても、「二組別々のお客様」と見なします。
この「名簿分別(名寄せ)」は、1).『KitFit不動産』を使って基本的な分別を行い、2). マンションギャラリーの現場スタッフが人的に目視チェックする、という方法で実現しています。
いずれにしても『KitFit不動産』で顧客の一元管理を行っているので、お客様の商談履歴がスムーズに行えます。

商談履歴管理 お客様がマンションギャラリーにいらしたのに担当営業スタッフが別のお客様の対応等で対応ができないことがあります。その場合は代わりに対応したスタッフが、対応内容を『KitFit不動産』に記録します。
担当営業はこの対応履歴を見ることにより、その後のお客様対応を切れ目なくスムーズに行えます。

顧客情報管理の形態

- 『KitFit不動産』では「お客様の個人情報」は具体的にどのように管理していますか。

『KitFit不動産』でのお客様データの管理方法は次のとおりです。

登録 新規のお客様の情報を登録します。
修正 引っ越しによる住所変更などあった場合は情報を修正します。
削除 お客様情報をすべて削除します。
抹消 住所氏名など個人情報は削除します。ただしアンケートデータなどは匿名化して使用します。

お客様の個人情報は、原則として「物件の 担当営業だけ」がアクセスできます。他の営業マンが、様々な条件で検索を行ったとしても、「自分の物件の 担当顧客」だけしか抽出できません。他の営業マンの顧客情報にアクセスすることはできません。

デベロッパへの各種報告での活用

- デベロッパー向けの各種報告の際に『KitFit不動産』をどう使っているのか教えてください。

デベロッパーへの報告、相談、提案の際には『KitFit不動産』を次のように使っています。

販売開始前
(販売計画)
特定の物件の販売に先立ち、それと類似する過去の物件の反響、販売データを『KitFit不動産』から抽出し、それをもとに販売計画をつくります。
販売中
(定期報告)
デベロッパーには毎週一回、各物件の反響、集客、販売進捗の状況を数値で報告します。
このときの基本レポートは『KitFit不動産』で出力します。
物件企画時
(参考情報)
販売会社には「実際の購入者の一次データ」が蓄積されます。
この統計データを「よりお客様に喜ばれるマンション」を企画するための元データとして活用します。

『KitFit不動産』導入前のシステム

- 伊藤忠ハウジングが今回、『KitFit不動産』を導入した経緯、背景を教えてください。

『KitFit不動産』を導入する前は「スクラッチ開発した顧客管理システム」を使っていました。
このシステムは「マーケティング重視」を開発コンセプトとしたため、あらゆる項目で分析や抽出ができるよう機能を最大化した「盛りだくさん」のシステムができました。その結果、機能は良いですが、使い勝手が悪く、また負荷の高いシステムとなりました。
また、普段、システムを利用する営業のセクションからは「やりたいことが全部できる、すばらしい!」という好評ではなく、「機能が多すぎる」、「検索項目が複雑すぎる」、「使いにくくなった」という不評の声が寄せられました。
この反省をふまえて次期システムの開発方針は「余分な機能を極力削り、最小構成・シンプルな形を目指す」と決めました。

最小構成からスタート

- 「余分な機能を極力削り、最小構成・シンプルな形を目指す」とは具体的には?

「最小構成からスタートする」というのは次のような意味合いです。
最初は、必要最小限の機能だけを盛り込んだ「最小構成」の形で開発する。
その後、システムレビューを随時行う中で「やはり必要」と 認められた機能のみ「カスタマイズ」を通じて追加する。
その後、次期システム選定のための情報収集を開始しました。

パッケージ製品は最初から対象外にした理由

- 次期システムはどのように選定しましたか。

まず市販のCRM、SFAのパッケージ製品は選外としました。
選外にした理由は3つあって、まず第一に、パッケージ製品では「最小構成 → 必要に応じてカスタマイズ」という基本方針が実現できません。
第二に、「一生に一度か二度の買い物であるマンション」は、一般消費財のようなリピート購入が生じにくく、したがってリピート購入の最大化を目的とするパッケージソフトウエアは、マンション販売にそぐわないということがあります。
最後に、一人のお客様について、氏名、住所、メールアドレス、年収、購入動機など非常に多くのデータを保有することも、パッケージソフトウエアが対応しづらい点です。

『KitFit不動産』を選んだ理由

- 市販パッケージ製品を除外するとなると、選択肢は限られてきます。

おっしゃるとおり、弊社の場合「スクラッチ開発」で思うように進まず、パッケージ製品の導入も難しいという状況で、どうしたものかと考えあぐねていたところ、出会ったのが『KitFit不動産』でした。
『KitFit不動産』は「基本モジュールを組み合わせて作る」、「カスタマイズも可能」というセミオーダーの製品であり、弊社にとっては、スクラッチ開発とパッケージ製品の『いいとこどり』をしたような製品コンセプトでした。
開発元の都築電気は会社としての信頼度や実績も十分です。『KitFit不動産』を採用することにしました。2011年のことです。

活用してみての評価

- 約3年間、活用し続けての『KitFit不動産』への評価をお聞かせください。

「最小構成から始め、必要に応じてカスタマイズする」というコンセプトは、当初の予定通りに実現できています。「顧客起点のマンション販売」「顧客名簿の厳格な管理」、「デベロッパーへの適切な報告」など着実に実施できています。
カスタマイズはこれまで数回実施しました。直近では「友の会の管理機能強化」「分析機能強化」などを行いました。

先輩ユーザーからのアドバイス

- 『KitFit不動産』の採用を検討している企業に向けて「先輩ユーザーとしてのアドバイス」などあればお聞かせください。

まず前提として不動産販売の顧客管理システムには、異なる3種類のユーザーがいます。

営業マン
(現場で販売)
関心範囲は「自分が担当する顧客」です。
販促スタッフ
(本社勤務)
友の会などを通じて顧客にコミュニケーションする立場です。関心範囲は「全体的な集客」です。
デベロッパー
(事業主)
関心範囲は「それぞれの物件の反響、販売状況」です。

社内システムである以上、ユーザーの要望を尊重するべきですが、しかしこれら3種類のユーザーは、それぞれ立場も求める情報も異なるので、全員の要望に遍く洩れなく応えようとすると、かえって収拾がつかなくなります。
この問題を解消するために今回、伊藤忠ハウジングでは「最小構成 → 徐々にカスタマイズ」という方針を取りました。
この方針は、『KitFit不動産』というセミオーダー製品のコンセプトと、概ね適合しているのではないかと思います。今後、『KitFit不動産』の導入を検討している方にとって、一つの参考例となれば幸いです。

今後の期待

- 都築電気への今後の期待をお聞かせください。

伊藤忠ハウジングでは、今後とも「よりお客様に寄り添ったマンション販売」を実現していきたいと考えております。都築電気には、その取り組みを、優れた製品と手厚いサポートを通じて後方支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

伊藤忠ハウジング 様
本⽇はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

インタビュー︓2015年5月