第一環境株式会社 様
万全な対策でスマートデバイスからの情報漏洩を防止
資産管理やアプリケーション配信の機能で高い作業効率を実現
■MDM (モバイル端末管理)ソリューション FENCE-Mobile RemoteManager
課題 |
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閉域網でMDM サービスを利用したい |
スマートデバイスのセキュリティを確保したい |
デバイス単体の設定作業による不効率さ、対策のバラつきを改善し、運用・管理を軽減したい |
効果 |
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オンプレミスで構築できるため、閉域網でも利用可能 |
リモートロックやリモートワイプ機能で、盗難・紛失時の情報漏洩を防止 |
資産管理機能やアプリケーション配信機能を使用し、作業効率を大幅に向上。キッティング作業の負担も遠隔操作(リモート)で従来の半分以下に軽減 |
水道事業に関する幅広い業務を行っている第一環境株式会社は、自社で開発しているスマートフォンを使った現場支援サービス「AQUA FIELDER」にFENCE-Mobile RemoteManager を採用し、端末の盗難・紛失時のセキュリティを高めることに成功した。
また、FENCE-Mobile RemoteManager の資産管理機能やアプリケーション配信機能を使い、デバイスの資産管理やアプリケーションの展開・バージョンアップにおける運用・管理業務の負荷軽減を実現した。
■導入の経緯
- 検針業務を改善するソリューションを開発
第一環境株式会社(以下、第一環境)は、1975 年に創業して以来、水道事業体からの委託による料金徴収業務や給水装置管理、施設運転・管理など、水道事業に関する幅広い業務を行っている。現在は全国で事業展開し、北海道から沖縄まで114 の自治体から業務を委託されている。
常務取締役 統括調整本部 本部長の松本太郎氏は、事業内容について「水道事業体様の多くは、料金徴収などにICT システムを運用しています。当社では、水道事業体様をご支援するシステムの受託開発や、パッケージソフトAQUA-V シリーズの開発を行っています」と説明する。
「AQUA-V」は、料金徴収システムや給装管理系業務を支援する量水器入出庫管理システム、給水工事・台帳管理システムなど、数々のソリューションをまとめた水道事業総合パッケージソフトで、新しく『AQUA FIELDER』というソリューションを追加した。AQUA FIELDER は、検針業務や、検針員の位置情報を取得できるソリューションのため、検針員の所在確認や、飛び込み作業の手配が容易にできるようになる。
「AQUA FIELDER で使用する端末は、一般的に利用される料金徴収業務用の端末ではなく、Android TM を搭載したスマートフォンを採用したいと考えていました。スマートフォンは操作性が高く、ユーザーインターフェースも洗練されており、新任作業者でも教育期間が短くて済む上、作業の効率向上が期待できます」と、システムソリューション部 開発グループモバイルチームの三浦誠氏は語る。
第一環境株式会社
常務取締役
統括調整本部 本部長
松本 太郎 様
第一環境株式会社
システムソリューション部
情報インフラサービスグループ
インフラサービスチーム長
宮島 健二 様
■採用のポイント
- 完全な閉域網で利用でき、情報漏洩対策の効果を評価
スマートフォンを使用するメリットは大きいが、そのためには「個人情報保護」という問題を解決しなければならない。料金徴収業務には個人情報は欠かせず、この情報が万が一漏洩した場合は、企業の信頼失墜や、損害賠償などが生じる危険性がある。そのため、情報漏洩が起きないよう十分な対策が必要だ。
そこでAQUA FIELDER では、外部からアクセスできない閉域網と盗難や紛失対策機能のあるMDM ツールを導入することで、個人情報保護を実現しようと考えた。
「閉域網で使えるMDM ツールを検討している時に、都築電気様よりFENCE-Mobile RemoteManager の提案を受けました」と説明するのは、システムソリューション部 情報インフラサービスグループ インフラサービスチーム長の宮島健二氏。
FENCE-Mobile RemoteManager は、社外に持ち出して利用するスマートフォンやタブレット、パソコンなどを統一の企業ポリシーで管理し、盗難・紛失時にはリモートロックやリモートワイプを実施するMDMツールだ。サービスのみを利用できるクラウド型と、オンプレミスで構築できるパッケージ型が提供されている。また、クライアント/サーバ間のデータ配信にはCloud to Device Messaging やGoogle Cloud Messaging TM for Android TM といった仕組みの他、富士通ビー・エス・シーが独自に開発した通信方式により、完全な閉域網でも問題なく使用できる。
「市場には多くのMDM ツールが存在していますが、閉域網で利用できるものは限られています。調べてみると、特定のネットワークポートを開放するなど、完全な閉域網では利用できないものがほとんどです。ところがFENCE-Mobile RemoteManager であれば、ポートを開放する必要はありません。完全な閉域網でも利用できる数少ないMDM ツールで、また機能面も充実しており、第一環境様にご満足いただけるソリューションだと考えました」と都築電気 第一営業課の高井大介氏は語る。
このような機能面でのメリットに加え、価格や運用条件などを含めて総合的に判断した結果、第一環境はFENCE-Mobile RemoteManager の導入を決めた。
- システム概要
■運用の実績
- 遠隔操作でスピーディーに管理。運用工数削減も実現
FENCE-Mobile RemoteManager の導入はスムーズに進み、AQUA FIELDERのセキュリティを支える要として本格稼動を始めている。
「FENCE-Mobile RemoteManager のセキュリティを確保するという目的は十分に果たされています」と、宮島氏は導入後の感想を語る。さらに「資産管理機能やアプリケーション配信機能もよく使っています。導入効果が高いソリューションだと実感しています」と付け加えた。
IT 資産の最適化や情報セキュリティを適切に管理するうえで、ハードウェア/ソフトウェア台帳を作成し定期的な棚卸しを実施する企業は多い。しかし、この棚卸し作業の負担は大きく、年に数回程度しか実施できないというのが実情だ。
「当社も表計算ソフトを使って台帳管理してきましたが、棚卸しの負担は少なくありませんでした。ところが現在は、FENCE-Mobile RemoteManagerの資産管理機能を使うことで、工数をかけず、ほぼリアルタイムでIT 資産の状況を確認できるようになったのです」と三浦氏は語る。
アプリケーション配信機能は、「キッティング」や「バージョンアップ」などに使用し、「キッティング作業をする場合、これまでは端末とパソコンをケーブルで接続して、環境ファイルやアプリケーションを一台ずつコピーしてきました。しかしFENCE-Mobile RemoteManager であれば、構成設定情報やアプリケーションを遠隔操作で配信できるので、個別に対応する必要がなく作業負担は半分以下に減っていると思います。また、スマートフォンにインストールしているアプリをバージョンアップする際も、この機能を使っています」と、三浦氏はFENCE-Mobile RemoteManager の導入効果を語る。
第一環境株式会社
システムソリューション部
開発グループモバイルチーム
三浦 誠 様
都築電気株式会社
産業営業統括部
第三営業部 第一営業課
高井 大介 様
■導入効果と今後の展望
- コミュニケーションツール機能とeラーニングを追加予定
第一環境は、FENCE-Mobile RemoteManager の導入によって完全な閉域網とMDM によりスマートデバイスの情報漏洩対策を実現した。
「閉域網とMDM によりセキュリティを確保することができたため、今後、AQUA FIELDER は、勤怠管理や業務ログといった機能追加や見守り協定、災害支援協定に有効な調査業務機能などを追加する予定です。最終的には、営業所との連絡などを行う内線機能やメッセージ機能といったコミュニケーションの機能を強化することで、人材育成に利用できるe ラーニング機能も追加する予定です」と松本氏は導入効果と今後の展望について述べた。
FENCE-Mobile RemoteManager は、AQUA FIELDER のセキュリティを確保するだけに止まらず、運用・管理業務にも欠かせないツールとなっている。
Android、Google Cloud Messaging は、Google Inc. の商標または登録商標です。
■第一環境株式会社
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本社所在地 〒107-0052 東京都港区赤坂2-2-12 代表者 代表取締役社長 宮﨑 勝己 創業 1975年11月12日 従業員数 5,763名(2016年4月) 事業内容 上下水道料金徴収業務、給水装置管理業務、
管路管理業務、上下水道施設運転・管理業務、
水道料金電算処理システムの開発・運用、
ハンディターミナルの販売および関連ソフトウェア開発ホームページ http://www.daiichikankyo.co.jp/