導入事例

CASESTUDY 導入事例

雪印メグミルク株式会社 様

雪印メグミルク株式会社

Interviewer

雪印メグミルク株式会社

DX戦略部長 小幡 貴司 氏
DX戦略部 IT企画推進グループ システム技術チーム 課長 清見 英隆 氏
DX戦略部 IT企画推進グループ システム技術チーム 瀧川 雄基 氏

雪印メグミルク株式会社 様

雪印メグミルク株式会社は2025年の創業100周年と本社移転が重なるタイミングで、オンプレミスで運用していたPBXのリプレイスを推進しました。

「特定のキャリアに依存しないマルチキャリア対応」を最優先要件に掲げ、都築電気のクラウドPBXサービス「TCloud for Voice(以下、TCV)」を採用。8拠点・電話端末約2,500台・スマートフォン約2,000台という大規模移行を、事前準備の徹底によりトラブルなく完遂しました。

本社ではフリーアドレス環境でのスマートフォン一本化を実現し、代表着信プッシュサービスやIVR機能、構内放送設備(TOA社)との連携も活用。新経営計画「Next Design 2030」が掲げる「データドリブン経営による生産性改革」の一環として、音声データのAI活用まで視野に入れた取り組みを進めています。

音声インフラをDXの基盤に
雪印メグミルクが8拠点・約2,500IDのクラウドPBX移行で描く、
データドリブン経営

漫画解説
  • 導入の狙い・背景・課題

    導入の狙い・背景・課題

    • 保守期限到来と本社移転を機に、電話インフラを刷新したい
    • 在宅勤務の拡大で代表電話対応のための出社が課題に
    • フリーアドレス化推進のため、固定電話からの脱却が必要
  • 解決策・都築電気を選んだ理由

    解決策・都築電気を選んだ理由

    • 特定キャリアに依存しないマルチキャリア対応で柔軟性を確保
    • 継続的な改善提案を伴うヘルプデスクが評価の決め手
    • 必要な機能を整理し、新しい働き方に合わせた構成を提案
導入したメリット・効果

導入したメリット・効果

  • 8拠点・約2,500IDの移行を予算・スケジュールどおりに完遂
  • スマートフォン一本化とIVR活用で場所に縛られない多様な働き方を実現
  • 運用保守の委託により、お客様ご担当者の負担を軽減し、DX推進業務へ集中
導入したメリット・効果

導入サービス

TCloud for Voice

「TCloud for Voice」は、オンプレミス型のPBX機能を踏襲しながら多様化する働き方に合わせて設計されたクラウドPBXサービスです。固定電話に依存しないフルクラウドモデルでは、スマートフォンアプリから内線・外線を利用できるため、オフィスでもリモートでも同じ電話番号での応対が可能です。複数の通信キャリアを柔軟に組み合わせられるマルチキャリア対応により、既存のスマートフォン環境をそのまま活用できます。代表着信の応対状況をリアルタイムに通知する代表着信プッシュサービス、音声ガイダンスで着信を自動振り分けするIVR機能、TOA製構内放送設備との連携など多彩なオプションも備えています。拠点追加や席替えに伴う配線工事が不要で、スピーディーな展開と柔軟な管理体制の構築を支援するサービスです。

User Profile

雪印メグミルク株式会社 様
雪印メグミルク株式会社 様
  • 所在地東京都港区虎ノ門二丁目2番3号 虎ノ門アルセアタワー(本社)
  • 従業員数5,751名(連結、2025年3月末現在)
  • 事業内容牛乳、乳製品及び食品の製造・販売等

創業の精神「健土健民」(酪農は大地の力を豊かにし、その大地から生み出された牛乳・乳製品は最高の栄養食品として健やかな精神と強靭な身体を育む)を「社会課題を解決する精神」として捉え、存在意義・志に掲げる乳業メーカー。2025年に創業100周年を迎え、バター・チーズ・マーガリンなどの乳食品事業、牛乳・ヨーグルトを中心とする市乳事業、育児用粉ミルクや機能性食品のニュートリーション事業の3軸で多様な製品群を展開する。

導入の経緯

まず、皆様の担当業務と、TCV導入への関わりについて教えてください。

DX戦略部長の小幡です。DX戦略とIT企画推進を統括しています。2025年4月に組織を刷新し、部門横断でDXを推進する体制を整えました。

システム技術チームを担当する清見です。OAインフラ全般の企画・導入が主な役割で、今回はRFP作成から選定プロセス全体に関わりました。

同じくシステム技術チームの瀧川です。インフラ全般の管理を担当しており、TCVについては設計から現在の運用まで一貫して担っています。

雪印メグミルクグループ様の経営計画「Next Design 2030」では、DX推進を柱の1つに掲げていますが、
その中でTCVの導入はどのような位置づけになりますか。

経営計画では「データドリブン経営による生産性改革」をDX戦略の柱に掲げており、今回のTCV導入もその一環です。録音した通話データを音声解析技術やAIと連携させ、顧客対応品質の向上やマーケティング分析にも活用できる基盤にしていきたいと考えています。単なるインフラ刷新ではなく、新たなビジネス価値を生み出すプラットフォームとして期待しています(小幡氏)

導入以前の電話環境と、抱えていた課題について教えてください。

以前は四谷の本社にオンプレミス型PBXを設置し、IPセントレックスという仕組みで、本社をはじめ、北海道(北海道支社)・仙台(東北支店)・川越(ミルクサイエンス研究所)・名古屋(中部支店)・大阪(西日本支社)・福岡(九州支店)の7拠点で内線通話を運用していました。電話端末はPCにソフトフォンを入れ、USBで接続したハンドセットを使用していました。

導入を検討する直接の契機は、四谷本社のPBXが保守期限を迎えることでした。ただ、それ以前から課題は積み重なっていました。2020年のコロナ禍で在宅勤務が本格化した際、PCだけでなくUSBハンドセットも持ち帰る必要があり、代表電話は事務所の親機で鳴る仕組みのため在宅中は着信に気づけないという問題も顕在化しました。さらに、2025年12月の本社移転を機にフリーアドレス化を進めようとした際、「固定電話機をどこに置くか」という問題も浮上しました(清見氏)

都築電気にご相談されたきっかけをお聞かせください。

フルクラウド化の方向性は持ちつつも、どのようなサービスが最適かを幅広く検討したいと考えていました。「電話に詳しい」という評判から都築電気の話を聞いてみようとなったのが始まりです。実際に相談すると、工場を含む複雑な要件に対してPBXの知識が深く、「工場のフルクラウド化には難しい部分がある」という点を包み隠さず伝えてくれました。どの機能が必要でどれが不要かを一つひとつ丁寧に整理してもらい、RFPの段階からお力をお借りすることになりました(清見氏)

最終的にTCVを選ばれた決め手をお聞かせください。

最も重視したのは、特定のキャリアに依存しないマルチキャリア対応です。単一キャリアに縛られると、社内スマートフォンの選択肢が狭まるリスクが生じます。またオンプレミス型PBX時代は人事異動の時期に設定変更業務が集中し、管理が追いつかない状況でした。

都築電気が提案してくれたヘルプデスクは、単なる問い合わせ対応にとどまらず、「傾向を分析しながら継続的に改善していきましょう」という姿勢が伴っていました。「導入して終わりではない」という点も個人的には大きな評価ポイントでした(瀧川氏)

費用対効果が優れていたことも選定した理由の1つです。加えて、「変える」ことを前提とした提案内容が印象的でした。従来の機能をできる限り引き継ぐ形ではなく、必要なものと不要なものを適切に整理した上で、新しい働き方に合わせた構成を示してもらえたことで、本当の意味でのシステム刷新ができると確信しました(清見氏)

導入の成果

8拠点への展開はどのように進めましたか。

名古屋の中部支店をパイロット拠点として最初に展開し、その後、首都圏西支店・東北支店・北海道支店・西日本支店・九州支店と順次進めていきました。オンプレミスからクラウドへの切り替えは初めての経験だったため、最初はどのような影響が出るか読めない部分もありましたが、都築電気のサポートを受けながら1拠点ずつ着実に進めました(瀧川氏)

最初の中部支店では私も同行し、現地の総務担当者や支店長も交えた説明の場を設けました。後半の西日本支店・九州支店については、瀧川がほぼ単独でも対応できるようになっていました。

都築電気の担当者が瀧川に寄り添ってくれ、説明資料をブラッシュアップし続けてくれたことが大きく、最後の拠点は安心して見ていられるほどでした。最初は少し専門的すぎた説明も、回を重ねるごとに現場の方が自然と理解できる内容に磨かれていきました(清見氏)

実際の切り替え時の状況はいかがでしたか。

拍子抜けするほど静かでした。切り替え当日や翌日は問い合わせが続出するものと想定していたのですが、各拠点ともほとんど発生しませんでした。事前に説明会とトレーニング期間を設け、スマートフォンアプリやIVRを実際に触ってもらってから本番を迎えるという準備が、スムーズな展開につながったと思います(瀧川氏)

大規模なITプロジェクトではコスト超過やスケジュール遅延が当たり前とも言われる中、今回は予算・スケジュールともに計画どおりに収まりました。経営層が最も注視するその2点をきっちり抑えてプロジェクトを完遂できたことは、社内でも高く評価されています(小幡氏)

導入後の活用状況についてお聞かせください。

虎ノ門の本社ではフリーアドレス運用のため固定電話機を置かず、スマートフォンのみで発着信を行っています。代表着信については代表着信プッシュサービスを活用し、グループ内の誰が応対したかをリアルタイムで把握できる仕組みにしました。フリーアドレス環境でも代表電話を確実に運用できるようになっています。

IVRは本社の一部と西日本支社に導入しています。西日本支社では、総務担当チームが代表にかかってくる電話をすべて受けて各部署に振り分けていたため、業務負荷が課題でした。IVRで振り分けを自動化したことで、現場から「楽になった」という声をいただいています。

川越のミルクサイエンス研究所では、構内放送設備(TOA)との連携も継続しています。以前はPC・ハンドセットを持たずに移動した場合、どの部屋にいるのかが分からなかったため担当者への連絡に放送での呼び出しが必要でしたが、スマートフォンを内線端末として活用できるようになったことで、持ち運びが容易になり、個人に直接電話できるようになり、放送呼び出しの必要が大幅に減っています(瀧川氏)

管理面での効果はいかがですか。

システム技術チームは3名でインフラ全般を担当していますが、これまで電話対応にかかる負荷はかなりのものでした。今回、運用保守を都築電気に担ってもらえるようになったことで、瀧川が新たな領域の業務に挑戦できるようになりました。1人のエンジニアの稼働が解放されるというのは、会社にとって非常に大きなメリットです(清見氏)

今回のプロジェクトにおける都築電気のサポートはいかがでしたか。

担当者の方が本当に親身に対応してくれて、進捗管理から現地対応まで丁寧にサポートいただきました。回線キャリアや既存ベンダーも含めた3社合同の定例会を設けてもらい、複数業者をまたぐ調整も都築電気が主体的に担ってくれました。技術面だけでなく、現場で何が起きているかを一緒に理解しようとしてくれる姿勢が、プロジェクト全体のスムーズな進行につながったと感じています(瀧川氏)

今後の展望

TCVの今後の活用計画と展望をお聞かせください。

次のステップはすでに動き出しています。現在は中小規模の営業所への展開を進めており、最終的にはすべての営業所をTCVに統合する計画です。最後に残るのが工場で、確実に使える内線環境をどう確保するかが今後の課題です。引き続き都築電気と相談しながら進めていきたいと思います(瀧川氏)

導入が予想以上の速さで定着していることもあり、次への期待は高まっています。「どこでもつながれる」便利さを伝えた一方で、「つながらないことも大事では」という声も現場からいただきました。就業時間外の着信オフ設定をより手軽にできるようにするなど、社員の働き方に寄り添った機能の進化を期待しています(清見氏)

TCVは現在、単体で稼働していますが、いずれ他のシステムとつながっていくものだと思います。音声データがAIと組み合わさることで、顧客対応品質の向上や業務効率化への活用が広がっていくでしょう。今回は30数年ぶりの大きな取引となりましたが、この縁を起点に、当社の変革と発展をともに考えてくれるパートナーとして都築電気への期待は大きいです(小幡氏)

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※本インタビュー記事に掲載されております部署、役職は取材当時のものです。