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トラックドライバーの拘束時間とは?労働時間との違いや法的基準を解説

作成日:2026年4月3日

労働者の拘束時間は、1日の始業時間から終業時間までを示す用語です。なかでもトラックドライバーの拘束時間は、改善基準告示の改正によって基準が厳格化されたことが話題になっています。

 

今回は、物流業界に携わる企業担当者向けに、改善基準告示で定められているドライバーの拘束時間について解説します。2024年の改正にともなう基準の変更ポイントや特例の適用される条件を知り、ドライバーの労働環境の改善に努めましょう。


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トラックドライバーの拘束時間とは?

 労働時間・業務時間に含まれるもの

 休憩時間に含まれるもの

改善基準告示改正による拘束時間・休憩時間の変更

 1日の拘束時間は原則13時間まで

 1日の休息時間は継続9時間を下回らない

 1週間における1日の拘束時間の延長は2回・16時間まで

 2日あたりの運転時間は9時間、2週間あたりの運転時間は44時間以内

 連続運転時間は4時間まで

 1か月の拘束時間は284時間、1年の拘束時間は3,300時間

改善基準告示の特例

 分割休息の特例

 2人乗務の特例

 隔日勤務の特例

 フェリーの乗船の特例

 適用除外業務の特例

ドライバーの拘束時間を短縮するためのポイント

 ゆとりを持った運送計画を立てる

 荷待ち・荷役時間を短縮する

 運行管理システムを導入する

 ドライバーの勤怠を適切に管理する

まとめ

トラックドライバーの拘束時間とは?

トラックドライバーの拘束時間は、ドライバーが使用者の指揮命令下に置かれている時間全体です。基本的には1日の勤務の始業から終業までの時間の合計となり、労働時間・休憩時間・仮眠時間の全てが含まれます。

 

なおドライバーの拘束時間の上限は、厚生労働省が公表する「改善基準告示」で定められています。運送会社はドライバーの長時間労働の是正や安全確保のために、基準の拘束時間を遵守しなければなりません。

 

労働時間・業務時間に含まれるもの

拘束時間のうち、労働時間として扱われるものは運転時間だけではありません。運転前後の点呼・点検や荷物の積み込み・積み下ろしとそれにともなう荷待ちの時間も、労働時間の一部です。また、いわゆる待機時間であっても、作業場所から自由に離れられない場合は全て労働時間に含まれます。

 

休憩時間に含まれるもの

休憩時間は、ドライバーが業務から完全に離れ、自由に利用できる時間を指します。たとえば、運行途中の食事時間や仮眠時間など、定型的に定められた休憩時間が該当します。

 

なお、車内での待機時間や荷待ち時間は、基本的には休憩時間扱いにはなりません。ただし、ドライバーがトラックから離席できる場合や待機時間中に連絡への応答作業が発生しない場合など、一定の条件を満たす場合は休憩時間に含まれることがあります。

 

改善基準告示改正による拘束時間・休憩時間の変更

2024年4月に改善基準告示が改正され、トラックドライバーの拘束時間や休息時間のルールが大きく見直されました。

 

この改正によってドライバーの1日・1か月・1年単位での拘束時間の制限がより明確に示されたほか、休息時間や連続運転時間の基準も厳格化されています。運送会社は従来の基準での運用方法を改め、新基準に則った運行管理を行わなければなりません。

 

1日の拘束時間は原則13時間まで

改正後の改善基準告示では、トラックドライバーの1日の拘束時間は原則13時間以内と定められています。ただし、スケジュールの遅延や遠方への運行などのやむを得ない事情がある場合は、最大15時間まで延長が認められています。運送会社は、拘束時間が14時間を超える日数ができるだけ少なくなるように努めなければなりません。

 

1日の休息時間は継続9時間を下回らない

1日の業務終了から次の始業までの休息時間は、原則として継続11時間以上を確保しなければならず、9時間を下回ってはなりません。ただし、宿泊をともなう長距離貨物運送の場合は、週2回まで継続8時間以上へ引き下げることが認められています。また、休息期間のいずれかが9時間を下回る場合は、運行終了後に継続12時間以上の休息期間を取得する必要があります。

 

1週間における1日の拘束時間の延長は2回・16時間まで

ドライバーの1日の拘束時間は原則13時間・最大でも15時間までと定められていますが、長距離貨物運送の場合は、1週間に2回までに限り16時間までの延長が認められています。なお、ここでの長距離貨物運送は、1週間における運行が全て長距離貨物運送であり、運行における休息期間が住所地以外の場所での取得であることが条件とされています。

 

2日あたりの運転時間は9時間、2週間あたりの運転時間は44時間以内

改善基準告示では、ドライバーの運転時間にも明確な上限が設けられています。勤務時間における運転時間は、2日を平均して1日あたり9時間以内、さらに2週間を平均して1週あたり44時間以内と定められています。

 

運転時間の基準は改正前の基準から変更されていませんが、1日あたりの連続運転時間には制限があるため注意が必要です。1勤務日の運転時間だけでなく、2日間や1〜2週間を平均したときに基準を超過しないように管理しましょう。

 

連続運転時間は4時間まで

運行中にドライバーが連続して運転できる時間は、原則として4時間を超えないものと定められています。連続運転が4時間を超過した場合は、30分以上の運転の中断とそれにともなう休憩の取得を行わなければなりません。運転の中断は1回の中断時間をおおむね10分以上とした場合に分割して取得することも可能ですが、1回10分未満の中断は3回以上連続できません。

 

なお、道中にサービスエリアやパーキングエリアがなく、やむを得ず4時間を超えた連続運転が発生した場合は、連続運転時間を30分まで延長することが認められています。

 

1か月の拘束時間は284時間、1年の拘束時間は3,300時間

ドライバーの月間の拘束時間は原則284時間以内、年間の拘束時間は原則3,300時間以内と定められています。これらの上限時間は労使協定を締結することでそれぞれ310時間以内・3,400時間以内まで延長できますが、1か月の拘束時間が284時間を超える月は連続3か月までに限り、1か月の時間外・休日労働時間は100時間未満になるよう調整しなければなりません。

 

改善基準告示の特例

改善基準告示では、一定条件のもとで基準を柔軟に運用できるよう、いくつかの特例が設けられています。長距離輸送や特殊な勤務形態など、通常の基準の適用が難しい場合は、特例に沿って対応しましょう。

 

分割休息の特例

休息期間は原則として継続9時間以上の取得が求められますが、業務の都合などでやむを得ない事情がある場合は、分割での取得が認められています。なお、休息を分割して取得できる回数は、1か月程度の勤務期間における全勤務回数の2分の1が限度です。

 

分割して取得した休息期間は1日1回当たり継続3時間以上が基準とされており、2分割の場合は合計10時間以上の取得が求められます。3分割での取得も認められていますが、その場合は1日合計12時間以上の休息を確保した上で、3分割の日が連続しないように調整する必要があります。

 

2人乗務の特例

1台のトラックに2人のドライバーが乗務する場合、1日の最大拘束時間は20時間まで延長でき、休息時間は4時間まで短縮できます。さらに、車両内のベッドのサイズや素材が基準をクリアする場合は、一運行の終了後に継続11時間以上の休息期間を与えることを条件として、拘束時間を最大24時間まで延長可能です。

 

なお、基準をクリアしたベッドで8時間以上の仮眠を取得した場合は、最大拘束時間を28時間までさらに延長できます。

 

隔日勤務の特例

隔日勤務は、1日勤務と1日休息を連続する勤務形態で、1日の拘束時間が長くなる代わりに、翌日にまとまった休息期間を取得できます。ドライバーが隔日勤務を行う場合、1週間につき3回までを限度に、2暦日における拘束時間を24時間まで延長できます。ただし、2週間における合計の拘束時間が126時間(21時間×6勤務)を超えないように調整しなければなりません。

 

フェリーの乗船の特例

運行中にフェリーの乗船を挟む場合は、フェリー乗船中の時間を休息時間として扱うことが可能です。この場合、ドライバーが取得すべき休息時間の合計から、フェリーの乗船中の休息時間を減算できます。ただし、減算後の休息時間は、下船時刻から勤務終了時刻までの2分の1を下回らないように調整する必要があります。

 

また、フェリーの乗船時間が8時間(2人乗務の場合は4時間・隔日勤務の場合は20時間)を超える場合は、フェリーを下船した時刻から次の勤務が開始されるとみなします。

 

適用除外業務の特例

災害時の緊急輸送や人命に関わる緊急業務、消防法に基づいて危険物を運搬する業務など、特別な目的を持った運行を行う際は、一部の基準が適用除外となることがあります。通常時の運行では発生しませんが、国や自治体の要請を受けた緊急の運行業務の際は基準が適用されないことを認識しておきましょう。

 

ドライバーの拘束時間を短縮するためのポイント

ドライバーを雇用する運送会社は、ドライバーの拘束時間を短縮するためにさまざまな改善を行う必要があります。

 

ゆとりを持った運送計画を立てる

ドライバーの拘束時間を短縮するためには、無理のない運行計画の策定が必要不可欠です。余裕のないスケジュールを立てた場合、道路渋滞や天候悪化による遅延が発生した際に拘束時間が超過するリスクが高まるため、あらかじめ余裕を持たせた計画を立てることが大切です。

 

荷待ち・荷役時間を短縮する

荷待ちや荷役の際に発生する待機時間は拘束時間に含まれるため、長時間化すると基準を超過する原因になりえます。実現可能な運行計画を立てることはもちろん、事前に作業上の到着時刻を予約したり荷役のパレット化を進めたりして作業効率を高めましょう。また、荷主との情報共有を積極的に行い、待機時間が発生しにくい体制を整備することも重要です。

 

運行管理システムを導入する

デジタルタコグラフや運行管理システムなどのIT技術を導入することで、拘束時間や運転時間をリアルタイムで記録・分析できるようになります。社内で運行データを一元管理できれば、年間の拘束時間の算出や効率的な運行スケジュールの策定が容易になるでしょう。

 

ドライバーの勤怠を適切に管理する

ドライバーの拘束時間を正確に管理するためには、日々の運行記録や勤怠記録を適切に記録・管理することが必要不可欠です。運行開始時刻や休息の取得状況を正確に記録し、定期的に管理者がチェックする体制を整えましょう。ドライバーの自己管理に任せず、会社全体で改善に取り組む姿勢が求められます。

 

まとめ

ドライバーの拘束時間の適正な管理は、法令の遵守だけでなく、企業の持続可能な運用やドライバーの労働環境の改善にも直結します。国が定める拘束時間の基準を守り、日々の安全な運行に努めましょう。

 

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