動態管理システムとは?メリットや選び方、主要なサービスをご紹介
作成日:2024年7月31日
ECの拡大やドライバー不足などに伴い、物流企業はドライバーの負担を抑えながらも運行の効率化を進める必要性に迫られています。そうした中で注目されているのが、「動態管理システム」です。しかし、「多くの製品が出ていてどれを選べばいいかわからない」、「どのような機能があると便利なの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、動態管理システムが備えている主な機能や導入メリット、主要なサービスをご紹介します。
■動態管理システムとは
■動態管理システムが備えている主な機能
■動態管理システムのメリット
・運行管理の効率化
・ドライバーの負担軽減
・事故や災害時の状況把握
・コストの削減
■動態管理システムの選び方
・車載器の種類で選ぶ
・必要な機能があるか
・車両の状況を一元的に把握できるか
・安全運転支援を徹底できるか
■おすすめの動態管理システム5選
・SmartDrive Fleet(スマートドライブフリート)
・Cariot(キャリオット)
・KITARO(キタロー)
・mineoセーフティドライブサービス
・TCloud for SCM(ティークラウドフォーエスシーエム)
■まとめ
■動態管理システムとは
動態管理システムとは、現場を走行している車両や運転者の動き・状況を把握できるシステムのことです。GPS機能と管理システムが連携することにより、車両の位置情報や走行距離、ドライバーの稼働時間などをリアルタイムで記録・把握でき、オフィスのパソコンやスマートフォンなどを通じて適切な車両管理を実現します。
システムによっては車両の状況把握・管理だけでなく、交通状況や天候の把握、目的地までの最適なルート設定などを行ってくれるものもあります。
API連携により、既存の自社システムに動態管理システムの機能を追加できるものもあり、クラウドサービスが普及したこともあって近年では導入しやすくなっています。
■動態管理システムが備えている主な機能
動態管理システムの主な機能としては、以下のものがあります。
・位置情報管理機能:
GPS機能により車両の現在位置をリアルタイムで把握します。走行ルートの記録や履歴管理も可能です。
・運行管理機能:
車両ごとに走行距離や運転時間、アイドリング時間などを計測できます。急ブレーキ、急加速など危険運転の検知が可能なものもあります。
・運用効率化機能:
車両の運用を効率化するための最適な運行ルートの提案や、それに基づくドライバーへの指示・送信を行います。運行日報や営業日報の自動作成も可能です。
・安全運転支援機能
ドライバーへの危険運転の注意喚起や、ドライブレコーダー連携による動画解析などを通じて、安全な運転ができるよう支援します。
■動態管理システムのメリット
動態管理システムの主な導入メリットとしては以下の4つがあります。
運行管理の効率化
車両の現在位置をリアルタイムで把握できるため、ドライバーに的確な指示を与えることができます。現在位置や交通状況、過去の走行ルートの集積データなどを基に最適な走行ルートや運行計画を立てられるので、運行管理の効率化に寄与します。
ドライバーの負担軽減
通常、ドライバーは走行するたびに運転日報を記載しなくてはなりませんが、動態管理システムの日報自動作成機能を使うことで日報を作成する手間を削減できます。また、スマートフォンを通じて勤怠管理することで、毎回事務所に行き出退勤の記録を手入力する手間も省けます。
事故や災害時の状況把握
事故や災害等のトラブル発生時に、状況を共有できるコミュニケーション機能を持つ製品もあり、正確かつ素早い状況把握を実施できます。その後の対応検討に係る時間を削減し、適切な対応が可能となる効果もあります。
コストの削減
最適な運行ルートを提案することで、燃費の改善や走行距離の短縮が期待できます。走行距離を短縮できればドライバーの運転時間が短くなり、労働時間削減を通じて人件費の抑制にもつながります。無駄な待機時間の削減やアイドリング時間の管理を通じた経費節減も可能です。
■動態管理システムの選び方
動態管理システムを選ぶ際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
車載器の種類で選ぶ
動態管理システムは車両に車載器を取り付けて運用しますが、車載器には主に以下の種類があります。
・OBDⅡポート型
自動車の心臓部に当たるコンピュータと通信できるシステムです。ほとんどの車に接続でき、機能面ですぐれ操作も簡単で使いやすい特長があります。
・ドライブレコーダー型
ドライブレコーダーに動態管理システムのソフトを組み込むタイプです。映像記録を残したい場合に適していますが、自社の車両に適応可能か確認する必要があります。
・シガーソケット型
シガーソケットに接続するタイプであり、取り付けが比較的簡単です。
・スマホアプリ型
スマートフォンの専用アプリから動態管理を行うタイプです。導入コストを比較的抑えやすく、自由度が高いので自社でカスタマイズが可能です。ただし、運転中は操作できないため、連絡を確認するときには停車する必要があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、それらを踏まえ最適なものを選ぶと良いでしょう。
必要な機能があるか
動態管理システムは数多くの製品が登場しており、それぞれ機能の充実度に違いがあります。基本的な位置情報管理機能に加え、自社の業務に必要な機能が搭載されているかを確認することが大切です。
例えば、最適な走行ルート作成や稼働可能な車両をリアルタイムで把握したいニーズがあるのなら、走行ルートの記録や車両システム管理機能などが充実しているものが適しています。
車両の状況を一元的に把握できるか
GPSの精度が高く、リアルタイムの車両の位置情報が一元的に把握できることも重要なポイントです。管理システム上の一画面で全体の状況を把握できれば、配車の変更や急なトラブルなどが発生した際、近くにいる車両に応援をすぐに頼めるメリットがあります。
安全運転支援を徹底できるか
車両管理では安全運転の徹底も重要です。例えば、ドライブレコーダー連携で動画解析ができ、危険運転の原因が特定できる機能や、脇見運転のような危険運転を検知し、その場で警告する機能などがあると安全運転の意識をより高めることができます。
■おすすめの動態管理システム5選
以下では、おすすめの動態管理システムの製品を5つご紹介します。
SmartDrive Fleet(スマートドライブフリート)
出典:SmartDrive Fleet HP(https://smartdrive.co.jp/fleet/)
シガーソケットタイプ、ドライブレコーダータイプから選択可能な、営業車向けのクラウド型車両管理システムです。特許の安全運転診断機能で運転のクセを可視化し、乗務記録作成機能を備えています。わかりやすく直感的に作業できるデザインも特長です。
Cariot(キャリオット)
出典:Cariot HP(https://www.cariot.jp/)
シガーソケット型やドライブレコーダー型など、複数の機器を組み合わせて利用できる車両動態管理クラウドサービスです。
車載デバイスまたはスマホアプリから、3秒に1回の頻度で車両の位置情報を同期でき、運転時間や走行距離、滞在時間などを自動で記録可能です。
指定車両のリアルタイム位置情報と到着予定時刻を社外関係者に共有できる機能もあります。
KITARO(キタロー)
出典:KITARO HP(https://kitaro-sdp.com/)
豊富なデバイスを利用し、さまざまなシーンで導入可能な運行管理システムです。
配送ルート最適化に強みがあり、AIを用いて最適なルートを算出し、ドライバーのデバイスに提供します。
配送先の時間指定や道路事情を考慮してルートを作成できる点や、安全評価とエコドライブ評価を通じてドライバーの運転成績をランキング化できる点も特長です。
mineoセーフティドライブサービス
出典:mineoセーフティドライブサービス HP(https://mineo.jp/business/m2m-iot/iot/safetydrive/)
OBD-IIタイプ、デジタコ搭載型、ドライブレコーダー搭載型から選べる運行管理システムです。
位置情報管理に加え、危険運転管理、日報自動作成、運転評価ランキングなど機能が充実している点が特長です。SIMカード付の車載機を車両の故障診断コネクタに接続すれば装着が完了し、工事不要ですぐに利用できます。
TCloud for SCM(ティークラウドフォーエスシーエム)
出典:TCloud for SCM HP(https://tsuzuki.jp/jigyo/scm/)
サプライチェーンのDXを支援する、初期費用不要のクラウド動態管理システムです。
スマートデバイスのみで動態管理、作業実績管理、配送予実管理、リアルタイムの交通情報、ナビゲーションまで配送業務の最適化を実現します。食品や医療品輸送、ラストワンマイル、店舗輸送、建設資材輸送など、さまざまなユースケースで活用可能です。
また、自社固有の基幹システムをはじめ各種システムとAPIで容易に連携でき、拡張性に優れています。
■まとめ
動態管理システムは車両の位置情報管理機能や運行管理機能、運行効率化機能などを備えたシステムであり、導入することで車両やドライバーの状況等を一元的に管理でき、効率的な走行や安全運転の徹底、コスト削減などを実現します。
多くの製品が登場しており、機能や特徴もさまざまであるため、車載器のタイプや機能の充実度などを踏まえ自社に最適なものを選びましょう。