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物流の2024年問題を乗り越える!運送業の抜本的対策と最新技術

作成日:2023年10月25日

物流の2024年問題とは?


物流の2024年問題とは、配送・物流業界において2024年以降に生じると予想される諸問題のことです。働き方改革関連法の施行により、2024年4月1日からドライバーの時間外労働時間が年間960時間に規制されます。これにより輸送能力が低下し、長距離輸送が困難になるなど配送サービスの質が低下する懸念があります。

運送業界は従来から慢性的な人手不足に悩まされてきましたが、労働規制が強化されることにより、輸送能力を維持するために多くの人手が必要になり、これまで以上に人手不足が深刻化する恐れがあります。

以下では、2024年問題がもたらす運送業界への影響やリスク、2024年問題への対応策について解説します。


2024年問題による運送業界への影響


労働力の問題


時間外労働時間が規制されることで、時間外手当が減ってしまいます。また、労働時間の規制により配送量が減ると会社の売上も低下するため、基本給のアップもなかなか見込めません。そのためトラックドライバーの手取り収入が減少し、満足な収入が得られなくなることで転職者が増え、人手不足に拍車がかかることが懸念されます。


企業の売上・利益の減少


先述のとおり、労働時間規制の強化により配送量が減ることで企業の売上が低下します。加えて、働き方改革関連法では月60時間を超えた分の時間外労働に対し、50%以上の割増賃金を支払うことを中小企業にも義務付けるようになりました。こうした売上の低下や経費(人件費)の上昇は企業の利益を圧迫し、経営に悪影響を与えます。


2024年問題がもたらす運送業界のリスク


人手不足


運送業界は他の業界に比べ低賃金・長時間労働が常態化していることもあり、従来から慢性的な人手不足に悩まされてきました。厚生労働省の統計によれば、全職業平均の有効求人倍率は令和2年度以降1.0から1.2あたりを推移していますが、同時期のトラックドライバーの有効求人倍率は2.0前後であり、全職業の2倍近い水準となっています。

こうした中でドライバーの労働時間が規制され、賃金が低下すると、さらに人手を集めにくい状況になってしまいます。


出典:厚生労働省「統計からみるトラック運転者の仕事」

https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/work


運送費用の増加


先述のように、2024年問題の影響で企業の売上や利益は減少する可能性が高く、それをカバーするために運賃を引き上げる動きが活発になることが予想されます。その場合、荷主の負担する運賃を上げるため、運送業界は荷主に対して運賃の値上げ交渉を行わなければなりません。ただ、すべての荷主が値上げに応じるとは限らず、運送業者は難しい経営のかじ取りを迫られます。


物流の2024年問題への対策


労働条件の改善


労働時間規制によってドライバー1人当たりの労働時間を増やせない以上、配送サービスの質を維持するためには人手の確保が不可欠です。人手不足=人材獲得競争が激しい中で人手を確保するためには、求職者に「この会社で働きたい」と思ってもらえるような労働条件や労働環境を整備することが重要です。

たとえば、週休2日制の導入や柔軟な働き方の推進、住宅補助など福利厚生の充実といった施策を進めていくことが求められます。また、女性ドライバーの採用を見据えて産休・育休制度を充実させたり、時短勤務を取り入れたりすることも必要になるでしょう。


営業フローのDX推進


営業フローのDXを進めることで、業務効率化や省人化を実現することも重要です。具体的な施策としては、以下のような配車・配送計画(輸配送管理)のデジタル化や勤怠管理システムの導入があります。


配車・配送計画(輸配送管理)のデジタル化


輸配送管理システムを導入し、配車管理をデジタル化することは、輸配送と配送計画立案の効率化を進めるうえで有効な手段です。

運送ドライバーの長時間労働が常態化している要因の1つに、積み荷を待つ時間が長いことが挙げられます。輸配送管理システムにより配車を効率化することで、待機時間の削減が期待できます。


勤怠管理システムの導入


勤怠管理システムの導入も効果的です。日報や出勤簿を手書きで行っていると、多くの手間と時間がかかり非効率であるほか、実態と異なる勤務時間や出勤日数を記載してしまい、コンプライアンス上問題になる可能性もあります。

勤怠管理システムを導入することで、正確な労働時間の把握、不正の防止、集計作業の負担軽減など多くのメリットが見込まれ、さらにコンプライアンスを重視することで会社のイメージが良くなり、人材を確保しやすくなることも期待できます。

給与計算システムと連携可能であれば、管理業務の一層の効率化につながるでしょう。

結論:物流の2024年問題に対抗する未来の運送業界


2024年問題は目前に迫っており、労働力の確保や売上・利益減少への対応など、運送業界は迅速にこの問題に対処する必要があります。2024年問題は非常に頭の痛い課題ではあるものの、長時間労働の常態化や非効率な業務など、これまで解決せずにやり過ごしてきた問題に対処するきっかけとして捉えることもできます。2024年問題への対応を機に、労働条件の改善やDXの推進による業務の効率化・生産性向上などを進めることで、運送業を持続可能な形で発展させることも可能です。

業界が一丸となって人材確保や業務効率化に取り組むことが、未来の運送業界の発展につながるでしょう。


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