都築電気株式会社
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文書管理ソリューション導入事例

保障関連書類のライフサイクル(書類作成~整理/保管)をトータルに管理する画期的なシステムを構築

福岡県信用保証協会様向け「積層ICタグを活用した保証書類管理システム」を都築電気が開発

福岡県信用保証協会(本所所在地:福岡市博多区)は、本所営業部及び5支所(書庫6ヵ所)に分散する膨大な保証関連書類を、ICタグの利用により安全に管理するためのシステムを、全国の信用保証協会に先だち導入し、昨年秋より順次運用を開始した。システムの開発は、都築電気株式会社(本社:東京都港区)が担当した。

保証業務の概要

信用保証協会は、中小企業者が事業資金の融資を受ける際の公的な保証を主な業務として、全国に52の協会が設立されている。

福岡県信用保証協会は、中小企業者の金融円滑化を積極的に支援しており、一昨年度より国の施策として実施されている『景気対応緊急保証制度』の保証承諾においては、全国でも高い保証実績をあげている。そのような背景により年々増加した保証関連書類は、本所営業部の他、県内主要都市に設置している5つの支所で個別に保管され、顧客数約9万4千件、保証契約一件ごとの書類数では約16万8千件にものぼっている。

書類の管理状況と課題

同協会における保証書類は、稟議書類や決算書などと合わせて顧客別にファイリングされ「保証ファイル」として整然と書庫に格納されている。書庫では、担当者が書類の持ち出しおよび返却時に台帳に記入することでその履歴を管理していた。しかし、保証申込などの受付業務はもとより、中小企業者や金融機関などからの問い合わせの際、頻繁にファイルを参照するため、これまでの台帳管理では、入出庫においてリアルタイムに記帳する運用が難しい状況だった。

また、なによりも、膨大な書類に対する目視での管理は、担当者にとって大きな業務負担となっていた。

信用保証協会が求めるシステムとは

システム開発の経緯として、同協会では、すでに数年前からICタグ利用による書類管理システムを検討してきたが、信用保証業務独自の複雑な「書類の動き」にフィットするICタグ及び、パッケージが存在しなかったため、同協会が求める管理を具現化できるSIerを選定する必要があった。

開発における大きなテーマとして、以下の2点があげられる。

  1. 書類が書庫にとどまらず業務上頻繁に持ち出される。
  2. 管理対象書類数が膨大で6ヵ所に分散管理されている。

具体的には、入出庫時にファイル一冊一冊を開き見ることなく書類が正しく揃っていることを瞬間的に確認できること、また、膨大な書類(約9万4千顧客分、書類数約16万8千件)の保管状況を確認するための棚卸作業を短期間(書庫1カ所当り5営業日以内)で完了できること、そしてなによりも、システムを短期的に導入できることが条件として求められた。

同協会は、それらを踏まえて、SIer各社の提案を慎重に比較検討した結果、当初より積層ICタグを中心に据え書類管理システムソリューションを提案した都築電気にその開発を委ねることとした。

都築電気が提供するソリューション

システム開発にあたって、都築電気は、同協会の協力を得て実運用を想定し、管理対象書類にICタグを取り付けて、受付業務から入出庫作業と棚卸作業、また書庫6ヵ所にまたがる「書類の動き」に対してのシミュレーションを徹底的に行った。

そのうえ「ICタグを書類にどうやって貼り付けて運用すれば良いか」あるいは「どのような手順で書庫にあるファイルに情報を関連付ければ良いか」など、プログラムすることだけでは解決し得ない運用のディテールにまでこだわって保証業務に最適な書類管理システムを構築した。(図1)

図1:システム概要図

図1

【ハードウェアとサプライ品を的確にコーディネート】

都築電気は、本システムの機能を満たすハードウェアについても的確にコーディネートした。(図2)

同協会の書庫の環境を考慮して、担当者が狭小スペースまで端末を持ち込めるようにコンパクトなタブレットパソコンを提案した。そしてキーボード入力を省略するため、ファイルに貼り付けたQRコードをスキャンすることで画面操作を進められるように設計し、手持ちタイプのQRコードリーダを装備した。また、それらの機材を搭載して書庫へ進入するための専用ワゴンを製作するなど、豊富なアイデアを打ち出していく中で、書類に施したICタグを再利用するためのサプライ品を考案するまでに至った。

図2:システム構成図

図2

【データ連携への配慮】

同協会では、2007年5月より全国各地の協会と共同で基幹系システムを利用している。そのため本システムとの連携も考慮したが、今回は、同協会における独自のアプリケーションであることから難しいと判断した。そこで、基幹系システムからの帳票をOCR処理することで、受付業務で必要なデータ入力への負担を大幅に軽減した。

抜群の読取安定性が決め手、積層ICタグを採用

本システムにおいて、もっとも重要な技術的課題がICタグの選定であった。現在、現物管理として利用実績のあるICタグは多く存在するが、その性能は用途や対象物によって適性を問われる。同協会では、価格はもちろんのこと、性質や形状が異なる数種類のICタグを候補にあげ、さまざまな実証テストを行った。例えば、ICタグ一枚一枚が密着した状態での認識性能や、複数のファイルにおける一括認識速度などを重点に検証した。

厳しい審査のうえ、実務に適した読取性能を安定して発揮した「積層ICタグ」を採用した。

システムの稼働により、大きく以下の4点が改善された。

  1. 個人情報漏洩への防止対策を強化
  2. 保証書類の誤収納/誤混入への防止対策を強化
  3. 持ち出し管理簿の廃止
  4. 短期間での棚卸を実現(各所で年2回の作業が可能)

今後の展開について

同協会では、「保証関連書類」と並んで重要とする「求償権関係書類」のシステム化も今後の視野に入れ、ICタグの活用範囲の拡張を検討している。

また、開発を担った都築電気は、全国の信用保証協会、金融機関向けに本システムの拡販を展開する考えである。

福岡県信用保証協会プロフィール(2010年3月31日現在)
設 立:1949年3月29日
保証債務残高:1兆2,205億円
出典:FIT 2010年夏号 No.37(日本金融通信社)

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